ある昼休み。
あたしは最近感じている胸のモヤモヤを取るため、言葉にした。



「あー恋愛してぇー・・・」
「お前、色気なさ過ぎ。」



そう言って島崎は、丸めたプリントであたしの頭をぽこん、と叩いた。

島崎というのはあたしのクラスメイト。野球部に入ってて、チャラい。女好き。
コイツを簡単に説明すればこんな感じだ。



「だってしょうがないじゃん。最近頭にそれしかないんだもん。」
「もっと他の事考えろよ。志望校とか将来とか。」
「うっわ!真面目な島崎ってキモい!」
「・・・それ以上俺を傷付けたら襲うからな。」
「いやー真面目な島崎サンも素敵ね!もう惚れ惚れしちゃう!」
「はっはっは!そうだろうそうだろう!」



そして、ものすごく単純。
うらやましい限りですよ、ええ。



「・・・ん?・・・。」
「・・・え?何、どうしたの?」
「・・・。」



惚れ惚れとか言ったのがマズかったのか、
何だか微妙な空気になってしまったあたしと島崎。
目の前の男は黙り込んで何かを考えているようだ。
珍しく、真面目な顔をしている。
思わず「写メ撮りたい!」とか思ったけど、
そこは空気を読んで我慢した。

・・・友達とかに、高く売れると思ったんだけどな。


そんな時、島崎が口を開いた。






「俺が、お前と恋愛してやろうか?」




(あたしは、真っ赤な顔でうなづいた。)